CASE05Eさんの場合( 近畿大学医学部進学 )
入学前の三者面談では「志望校は近畿圏内、医学部よりもこの条件を優先させてください。それと、この子は放浪癖があるので、自習時間の管理・監視をお願いします。」とお母さんからの要望が出ました。
その横で「私はどこでも…今年は頑張るし…。」とEさん。
これが、EさんとMEDiCとの出会いです。
Eさんは2浪目です。1浪目は大手予備校に通っていました。入学初日のアンケートでの「昨年の反省」の欄には「自分に負けた」とのコメント。面談時の「放浪癖」と合わせて考えると、しっかりと監視することが必要だと思いました。医学部に行きたいという気持ちは強く持っているようですが、今年で受験を最後にするという約束で保護者に許してもらっての2浪目がスタートです。さらに、Eさんは地方であっても、国公立大学へのこだわりも持っている様子でした。
成績を見ていると、理科がある程度できているのに対して、数学・英語が弱いタイプのようでした。また、記述模試とマーク模試の偏差値に大きな乖離がありました。
この2点を考えると、いきなり国公立大学を考えると言うよりも、まずは夏期講習会までに、総合で偏差値を65あたりまで持っていくことが最初の目標で、偏差値が65を出せたら、センター試験および国公立大学を考えていこうということになりました。Eさんは今年で受験を終わらせるということから、国公立大学の歯学部も考えていたようです。
確実な暗記。
前期の授業がスタートしました。その年は5クラス編成でした。Eさんは入学時のテストと、今までの成績を参考にした結果、下から2番目のクラスとなりました。
Eさんは英語について、このように言いました。「嫌いじゃないけど成績が伸びない」。
原因を探ることが教務の仕事です。まず、英語の講師にEさんの状況について尋ねたところ、「失点の原因は、ほとんどが単語レベルのミス」とのこと。まずは、早急に「確実に単語を覚える」という課題が見えてきました。そこで、毎日単語テストを実施することにしました。「確実に」ということを第1に、品詞の確認もしながらの単語テストです。
あわせて、英文解釈では「構造把握」にも力を入れました。というのも、記述模試とマーク模試との成績の乖離は、フィーリングで解いているように思えたからです。
このような地道な学習を毎日続けたところ、夏には英語の偏差値が67まで伸びました。
その日の復習はその日のうちに。
数学も気になるところでしたが、それよりも新たな問題が発覚しました。化学です。
オーソドックな問題は解けるのですが、少しひねられた問題、初見の問題には全く手が出ないため、成績が伸びなかったのです。
化学の講師に相談したところ、「絶対的な知識が足りない」とのことでした。とにかく、知識の吸収です。Eさんは「まとめノート」を作り、講師に専用のプリントを作ってもらうことにしました。
その日の復習はその日のうちに、Eさんはコツコツと継続をしていきました。
Eさんの「まとめノート」には、最初は基本の基本から書かれていました。そのうちに、自分の弱点が見えてきたように、その弱点を書くようになり、最終的には、自分がどうしても分からない・覚えられない知識等をノートに記しました。そして、そのノートは受験のときには欠かさずに持参しました。
最後のひとつまで弱点克服。
全ての教科において、ひたすら努力を続けてきたEさん。偏差値は総合で68に到達しました。
ここまで順調に成績は伸びてきましたが、結果はどうなるか最後まで誰にも分かりません。国公立大学の歯学部も視野に入れ、センター試験を受験することにしました。
ここでの問題はリスニングです。マーク模試では25点前後しか取れません。そこで、英語の講師に指示をもらいました。リスニングは耳を慣れさせることも大事ですが、その前に会話文が苦手かどうか、スクリプトを見たときに全ての訳ができるかどうかを確認しました。
Eさんの場合、耳が慣れていないことが原因のようだったので、耳を慣れさせるために毎日センター試験のリスニングCDを聞きました。その甲斐もあって、40点ぐらいまで安定して得点できるようになりました。
毎日の努力はセンター試験の結果に反映されました。自己採点による合計点数で、国公立大学の歯学部のボーダーラインを超えるような結果を残すことができました。
ただ、Eさんの第1志望は近畿圏の私立医学科です。入試直前まで、弱点を克服する勉強に努めていきました。このように地道な努力を続けて、迎えた入試です。Eさんは、見事に近畿大学医学科の正規合格を勝ち取ることができました。医学科に合格したことにより、国公立大学の歯学部(前期試験)を受験することはありませんでした。
合格を勝ち取るためには、日々の地道な学習が何よりも大事だとEさんに教えてもらった気がします。Eさんの「まとめノート」は、入試のときの強い味方になったようです。
※合格年度は伏せています。