CASE07Gさんの場合(近畿大学医学部進学)

入塾時のGさん。

Gさんは、お姉さんがMEDiCの卒業生だったこともあり、これからの1年間を迎えるにあたって、御両親も本人も迷うことなくMEDiCへの入学を決めていました。MEDiCに入塾するにあたり、御両親には「近畿大学の推薦入試に合格できるように指導をしていきます」ということを伝えました。入塾前の成績は「全国を見渡して、どこかの私立医学部の1次試験に合格できるかどうか」という状況からのスタートでした。

英語力の養成からスタート

新学期が始まりました。いきなり、推薦入試に照準を合わすのではなく、まずは、各教科の底上げから初めていきました。それらの勉強と併せて、年間を通じての「英語の課題」を進めていくことにしました。

近畿大学は、推薦入試と一般前期入試では戦略が異なります。近畿大学では英語の難しさが有名ですが、一般前期入試では「600点満点」における英語の配点は「200点」なので、配点の最も高い理科2科目(300点)の精度を上げることがポイントになります。それに対して、推薦入試では「350点満点」における英語の配点は「150点」となり、最も配点の高い科目になります。つまり、推薦入試で合格するためには、英語の得点率が重要になります。

Gさんには、前期から「PasScanシステム」を通じて、「イディオム・構文・語彙」を中心とした課題を、毎日提示していきました。毎回の課題で合格点を設定し、2回合格をすれば、次の範囲に進んでいく。誤答があれば「PasScanシステム」に記録し、誤答の蓄積もしていきました。

苦手意識の克服

また、Gさんには、数学でも苦手単元がありました。それは「場合の数・確率」です。課題は明確でした。問題文の行数が多くなったり、試行そのものが複雑になると、頭の中が整理できなくなっていました。そこで、文章が長めの問題・試行の複雑な問題を中心に、前期から課題を継続していきました。そして、「完全にマスターしようと思わずに、平均点以上を取れるようにしよう」と常に言い聞かせていました。

というのは、「場合の数・確率」が苦手な人にとって、この単元を完全にマスターするのは難しいものがあります。また、Gさんの性格上、御両親が心配するくらいに「無理をしすぎる」というマイナス面もありました。完全にできるようになるまで固執し過ぎる可能性もあったので、「合格点を取れるようになればOK」という気持ちで勉強をするように促していきました。

推薦入試に向けた準備

日々の努力もあって、第2回の全統記述模試では偏差値が68で、どの教科も偏差値が60台後半という、数値的にもバランス的にも良い結果を出すまでになりました。

9月に入り、本格的に推薦入試の準備に入りました。私達が考えたのは、「どの受験生よりも過去問を演習させて経験値を積ませよう」ということでした。時間計測をして問題を解かせて、教務スタッフで採点するという形式を、毎日繰り返しました。

Gさんに対しては、私達は採点の作業で十分でした。というのは、採点の結果を踏まえて、疑問点があれば即座に質問をし、「解けるべき問題なのか?捨て問なのか?」という所まで、突き詰めて質問をしていたからです。問題を解いて一喜一憂するだけでなく、採点後の振り返りや自己反省もきちんとできていました。

入試を迎えるにあたって、気にかけたことはメンタル面でした。試験になると、過度に緊張をしてしまう性格でした。緊張感を和らげる方策は、御両親で持ち合わせているものがあったので、私達は「これだけ演習した受験生は、試験当日に殆どいない」と、日々言い聞かせていました。Gさんが演習した過去問は10年分にも及びます。

推薦入試。そして、1次試験に合格。

試験当日。手応え的に自信はなかったようで、試験後にMEDiCに来たときは、少し元気がなさそうでした。10日後の1次試験の発表。発表直前まで落ち着かない様子でしたが、発表の時間になる前に速達が届いたようで、母親から「1次試験に合格しました」という喜びの電話が。そして、すぐにGさんを呼んで、1次試験に合格した事を伝えると、感極まって涙を流していました。

その後は、2次試験に向けた練習です。面接練習では、その様子を撮影し、実際に自身の姿を見てもらいました。初回の面接練習は、ぎごちない様子でしたが、2回・3回と練習を重ねていくうちに、面接の受け答えもしっかりとしてきました。2次試験でも緊張はしていたようですが、自分が出せる全ての力を出し切ったようで、本人なりの手応えを感じていたようです。

そして念願の合格へ。

そして、合格発表。そこには、Gさんの受験番号がありました。ついに、近畿大学推薦入試の合格を果たすことができました。

入試までを振り返ると、全てが順調に進んでいたわけではありません。それでも、授業が始まる50分前にはMEDiCに登校し、自習をしてから授業に臨んでいましたし、休塾や日曜日も必ず自習に来ていました。継続して努力をするという点では、受験生としての良き手本になりうる生徒だったと思います。

※合格年度は伏せています。