CASE19Sさんの場合(金沢医科大学進学)

Sさんとの出会い

Sさんは高校時代に部活に励み、本格的な受験勉強は高校3年生の秋から始めたという元気な生徒です。集中力と体力があり、頭の回転も速いので、勉強の方向性さえ間違えなければ、1年で医学部に合格する可能性もあると考えました。

話を聞いてみると、英語を除いて基本的な学習から必要とする状態で、とりわけ化学が未習に近い状態です。問題を解いた経験も少ないので、授業で課される宿題に加えて化学の問題集も課すことに。

英語は得意教科のため勉強を減らし、残りの時間を数学と物理にまわして、バランスの良い学習計画を心がけることにしました。

Sさんの課題

Sさんが苦手とするのは、文章から条件を読み取って上手に式にすることです。工夫して計算量を減らすのも課題で、いつも膨大な計算を解答用紙に書いた結果、解き方は分かっているのに、転記ミスや計算ミスで減点されるという悔しい思いを何度もしていました。

対策として、間違えた問題のポイントを説明できるようにさせ、教務スタッフによる口頭試問と上手な解き方でのやり直しまでをルーティン化させました。

最初の2か月は気合も入り、うまく勉強も回っていたのですが、第1回目の模試が良かったことや、新しい環境にも慣れたことから気分に緩みが出てきました。夏になり、勉強計画の遅れが目に見え始め、「あれもこれも勉強しないといけないのにできていない」という、精神的に煮詰まった状態に。

遅くまで勉強をすることもあって、心身の疲れも目立ち始めたため、他の教務スタッフと話して落ち着かせ、いったん学習の量を減らして、生活のリズムを取り戻すことを優先させました。

入試に向けた気持ちの整理

9月に入り、化学と物理の個別指導をつけることに。化学は知識の穴を埋めることがメインで、物理は現象に対する考え方を身につけることが目的です。同時に、金沢医科大学の推薦入試も考えていたので、推薦入試の対策・集団面接の練習も進めていきました。

調子のいいときは抜群の力を発揮するSさんですが、弱気なところを見せられない性格もあり、何かあると1人で全てを抱え込んでしまうため、10月・11月も何度も教務スタッフと話をして気持ちの整理と、学習の整理を進めていきました。

そして推薦入試に合格!

11月に入り、推薦入試の時期を迎えました。

気持ちの浮き沈みはあったものの、この頃になると、「もし推薦入試がダメでも一般入試でなんとかなるさ」という気持ちの余裕も見て取れるようになってきました。

推薦入試の勉強に比重を置きすぎず、一般入試もきちんと見据えて、毎日の勉強を進めていたことも、Sさんにとっては良かったと思います。

推薦入試を終えたSさんは「頑張るだけ頑張った」と言い、一般入試に向けて気持ちを完全に切り替えて勉強を始めました。

そして合格発表の日。やはり、合否の結果は気になるものです。合格発表の時間になり、金沢医科大学のホームページを見てみると、そこにはSさんの受験番号が。そのときの喜びの表情は、私達は今でも忘れません。

SさんはMEDiCに入学したときよりも元気な笑顔になって、一足早くMEDiCを卒業していきました。

※合格年度は伏せています。