CASE11Kさんの場合(帝京大学医学部進学)

昨年までのKさん。

KさんはMEDiCに来たとき、英語が苦手だが理数系はそれなりにでき、1年頑張れば十分に合格する可能性のある生徒でした。

去年までの本人の反省は2つあり、だらけた生活を過ごしたことと、見直しが嫌いで復習を十分にやらないことでした。

そんな過去の自分に嫌気がさしたKさんは、本気で医師になりたいと思って、心を入れかえてMEDiCに入学をしました。

新学期が始まって。

理系科目は自信があったKさんでしたが、いざ授業が始まると、授業の予習・復習・宿題に追われて飽和状態になりました。Kさんは、一日中机に向かうのは大丈夫でしたが、授業の復習をきちんとするより、新しい問題集に手を出してしまう、という反省をしたはずの癖が顔を出してきました。

知識が固まる前に新しい問題を解こうとするため、実力がついたという実感が湧かず、「今のままでいいのか不安」という気持ちが、周期的に出てきました。

そのたびに、ほぼ毎週、教務スタッフと面談を行ない、「去年の反省とは具体的に何だったか?」・「合格をするために必要なものは何 か?」・「勉強時間はこれで十分だよ」と、その度、繰り返し自分自身を客観的に見てもらい、余分な気の迷いを減らすことを継続していきました。

逃げなかったKさん。

人と話すことで心の安定を保っているKさんでしたが、人間関係に気を遣いすぎてしまい、勉強が疎かになることが、課題として浮上してきました。他人に気を遣ってしまう性格を変えるのは難しいので、とにかく悩む時間を減らして勉強時間と睡眠時間を確保するようにアドバイスをしました。

しかし、8月には悩み過ぎて、ほとんど勉強が手につかない状況に陥りました。あまりに憔悴していたので、「授業に身が入らなくてもいいから、とりあえず毎日MEDiCに来るように」とアドバイスをしました。

憔悴した中でも、Kさんは毎日休まずにMEDiCに来ました。ここで逃げなかったのが、昨年のKさんから一段成長した証だったと思います。

英語と向き合った毎日。

教科に関してKさんは、科目ごとに相談する相手を決めて、常にスタッフから理解と進度をチェックしてもらえる形を作りました。一番の課題である英語は、Kさんが好きな先生の個別指導を通じて、勉強をする習慣とやる気を引き出しました。

また、持ち味である国語力を生かして、長文を得点源にしようと、単語を覚えることに重点を置きました。単語を覚えるのにも、担任と一緒に「単語の意味に合ったジェスチャー」を考えだして、楽しみながら毎日向き合うなど、工夫を凝らしました。

そして医学部合格へ。

受験期になり、1年頑張ってきたKさんでしたが、なかなか合格が出ず、泣きながら来年のことを考え始めた頃に、帝京大学繰上げ合格の知らせが届きました。

1年を振り返ってみると、もともと地力のあるKさんでしたので、心の安定を保つことと勉強の手を広げさせないことが、一番の担任の仕事だったように思います。

入学後のKさんに会ったところ、大学の勉強も大変で、「ジェスチャーで覚えた単語が大学でも役に立っているよ!」とのことでした。

※合格年度は伏せています。