CASE02Bさんの場合( 旭川医科大学進学 )

Bさんの弱点は、ずばりセンター試験でした。記述の総合偏差値は常に65以上を保ち続けていましたが、マーク模試になると途端に失敗してしまう。

市販の参考書を買っては、いろいろな方法論を試したのですが、全く結果につながらない。第3回マーク模試では英数理の総得点が8割を切ってしまい、センター試験の前に大きくつまずいてしまいました。

しかし、Bさんは諦めませんでした。

担任のアドバイスを受け、第3回マーク模試の自己採点を済ませたあとから、まず自分を見つめ直すことにしました。

ここで役立ったのが「ミス振り返りシート」でした。

「 ミス振り返りシート」とは。

Bさんの担任が発案したミスの記録用紙です。マーク形式の問題で間違ったとき、必ず「日付」「教科」「内容」「反省」を「ミス振り返りシー ト」に記録するようにしました。

ただ、記録するだけで成果が表れるわけではありません。まず、ミスの具体的な「内容」について、より「一般化(普遍化)」することを心がけました。この作業により、自分がどのようなミスをしやすいのか、客観的に分析していくことができます。

もう1つ、重要なのは「反省」です。必ずミスした「内容」を記録するとともに、「次に同じミスをしないためにはどうしたらよいか」 ということを具体的に考えることにしました。単に「ミスが多いので気をつける」ではミスは減りません。

例えば、Bさんは計算の最中に数字の「a」を「0」と見間違えることがありました。短い時間の中、素早く数字を書くことも大事なことですが、見間違えをしていては正解に辿りつけるはずがない。

ここで、Bさんは全問解答して満点を取るという発想ではなく、解いた分について誤答を減らすということを重視し、ある程度時間を犠牲にしてでも、「あえて丁寧に計算の過程を書く」ということをルールにして、それを実行するよう心がけました。

また、復習が足りず、解法があやふやになっている箇所については、ミス振り返りシートに従って、漏れなくMEDiCの授業で身に付けた解法を再確認し、確実に機械的に答えを導ける方法を確立していきました。

この成果があってか、これまでのマーク模試の結果をはるかに超えて、センター試験本番では87%の得点を取ることができ、まずは国公立受験の切符を手に入れることができたのです。

国公立入試は情報戦を駆使した作戦が大事。

センター試験の得点が87%となれば、国公立でも合格する可能性が十分に出てきました。

しかし、後期入試には少し物足りない点数でもあります。

ここで、Bさんとともに、講師・担任が一丸となって、念入りに出願校を選択する時間を設けました。2次の配点や問題の傾向も踏まえながら志望校を検討し、特にBさんに合った問題が出題される大学を探していきました。

いろいろと候補があがりましたが、最後まで悩んだのが旭川医科大学の面接についてでした。

旭川医科大学は学科試験が英語・数学のみとBさんに有利な内容でしたが、面接が2次試験の600点中200点と高い割合を占めており、集団討論ということもあって、経験のないBさんにとっては不安が強く、なかなか決断を下せませんでした。

ここで、卒業生のアドバイスが役に立ちました。自らの点数や集団討論の内容・大学の雰囲気など、Bさんが欲しかった情報を提供してくれたのです。

こうして、三者面談で志望校を決めたあとは、ひたすら実践的な対策を取りました。英語・数学の過去問を解いた後は、講師により全て添削され、細かいところまでアドバイスを受けました。「次にどうすればよいのか」を具体的につかみながら、Bさんは記述力に磨きをかけていきました。

こうして学科試験のめどがたったところで、小論文講師は、小論文対策だけでなく、教務や現役の医学部生も交えた討論の練習を何度も行いました。また、その様子は動画で撮影し、その動画を別の生徒が何度も見直して、具体的な反省点を「他者の視点」から見ていけるようにしました。

こうしたことを通して、Bさんは次第に具体的なイメージを自分で持てるようになり、面接試験突破のための自信を得ることができたのです。

このように、講師・教務・卒業生と一丸になり、Bさんを合格までサポートしていったのでした。

無事、Bさんは前期試験で旭川医科大学に合格を果たしました。

Bさんが高い効果をあげた「ミス振り返りシート」は、ミスをが多く、伸び悩んでいる受験生の大きな助けになることでしょう。

※合格年度は伏せています。