CASE13Mさんの場合(獨協医科大学進学)

努力家の典型的な例。

Mさんは1浪目にMEDiCに入学をし、私立医学部コースからのスタートでした。

初対面のときは「どこまで頑張れるかな?」と思ったことは事実です。 ただ、Mさんの1年間を振り返ってみると、彼女ほど自分と向き合って頑張り続けた生徒は、他にいなかったのではないかと思えるほど、努力を積み重ねた生徒でした。

質問はその日のうちに。

現役時代の全国模試偏差値は総合で50台半ば。英語は得意ですが、理系科目は全般的に苦手で、特に数学に苦しんでいました。なんとなくで済ませてしまっていた部分が多く、積み重ねが大事である数学で、その影響がはっきりと出てしまっていたのです。

これらのことを聞いた最初の面談で、「分からない部分があったら、すぐに講師や教務スタッフに質問に来るように」と約束をしました。4月の間は遠慮しがちで来ていた質問も、5月に入ると「分かるまでは絶対に自習室には戻らない」と、質問受けのスタッフにしがみついていました。

問題を理解し、自力で解けるようになったときには、とても晴々とした顔で自習室に引き揚げていくのですが、その際には「また来るね~」の一言。言葉通り、1日のうちに何度も質問に来ることもありました。

課題管理に週間予定表。

1日の多くの時間を占める自習時間。生徒によっては、この自習時間の配分が苦手なことがあります。特に、科目間でのバランスを取ることが難しいようです。Mさんにもその傾向がありました。

そこで、どの科目にどれだけの時間を割いているのかを意識させるため、計画表を作成し、毎日「その日に何をしたのか?」を書いて、帰る前に教務スタッフまで提出することにしました。

最初は、ボールペンの黒一色で書いてきたのですが、すぐに、科目ごとに色分けするようになりました。Mさん曰く、「この方が可愛いから!」と言っていましたが、実際は科目ごとの勉強時間を視覚的に把握するために自ら始めたことでした。

その甲斐もあって、始めは得意な英語の「赤色」が多かった予定表が、すぐに化学の「黄色」や数学の「青色」で占められるようになりました。自分に「いま何が必要なのか?」を、冷静に考えられるようになったのです。

理数系科目の再テスト。

授業内で行われる復習テスト。彼女の結果は、浮き沈みが激しく、とても安心できるものではありませんでした。そこで、教務スタッフから数学と化学について、点数の取れなかったテストを「再テスト」として、課題で出していくことにしました。

合格ラインを越えるまで何度も何度も。答え合わせをしながらの解説を通じて、あやふやな部分をきちんと整理し、更にもう一歩踏み込んだところまで口頭で問題を出して、周辺知識の確認もおこないました。

復習テストの点数は、少しずつではありますが安定をし、間違えた問題は必ず復習するという習慣を定着することで、確かな力を育む土台となりました。

知識は詰まった!後は思考力!

夏の終わりまで、しっかりと基礎を固めてきたMさんでしたが、この頃から、次の課題点が徐々に浮き彫りになってきました。解答にいき着くまでのステップが多い問題で、てこずってしまうという傾向です。

Mさん自身の性格的なものもあって、理解力や瞬発力は高いのですが、思考力を要する問題ではブレーキがかかってしまい、あともう一歩足りません。腰を据えてじっくり考えるということが苦手でした。

そこで、生物の個別指導をつけることにしました。内容は「考察・論述問題の演習・解説」です。思考力の養成を主な目的とし、同時に生物の強化も図るという目的でした。受験直前まで続けたこの個別指導は功を奏し、粘り強く考えることができるようになって、入試当日も臨むことができました。

逃げない姿勢。

第3回のマーク模試・記述模試が終わり、成績が結果が返却されると、Mさんは浮かない顔をしています。話を聞いてみると、「こんなに頑張っているのに成績が上がらない」と落ち込んでいました。

確かに、第1回から第3回までを通して、マーク模試・記述模試ともに、前後の偏差値で横ばい状態でした。日々の課題やテストでは着実に力をつけてきているのに、模試となると、どれかの科目で点数を落としてしまう傾向にありました。

目に見える結果が出ないと、状況はとてもつらいものです。その日はもう勉強させずに、気持ちが落ち着くまで話を聞き続けました。「このまま萎えてしまわないと良いけど」と心配もしましたが、次の日になると、いつものように課題をこなす姿がみられました。「模試の成績がどれだけダメだったとしても、まだ時間はあるし。最後まで諦めずに頑張る!」

彼女の言葉は力強く、目にも覚悟がありました。 そして受験期。受験校は広げすぎず、可能性と体力を考えてやや絞り気味で挑みました。結果は、獨協医科大学に正規合格。電話で報告してくれた彼女の声には喜びがあふれていました。

※合格年度は伏せています。